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2016/02/05 「民主党は前のめりな決断を」野党5党非公式会合を終えた生活の党・玉城デニー幹事長に単独インタビュー!〜「衆参ダブル選挙でこなごなにされる」民主党議員からも不満の声

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玉城デニー氏(生活の党と山本太郎となかまたち幹事長)

 民主党は起爆力になるのか、それとも、ただシラケさせるだけで終わるのか――。

 今夏の参院選まで後5ヶ月余り。すでに選挙戦に突入したと言ってもいいが、未だに二の足を踏んだ状態の「野党共闘」。期待を寄せる有権者の多くが、焦れったい苛立ちを感じている。新潟選挙区では市民と野党による統一候補者の調整が進む中、民主党が突然、対抗馬を立てるなど足並みはバラバラだ。

 野党は総崩れしてしまうのではないか。選挙の行く末を案ずる声が日に日に大きくなる中、民主・共産・維新・生活・社民5野党の幹事長が2016年2月4日、枝野幸男民主党幹事長の呼びかけで、非公式会合を行った。

 会合の翌朝5日、IWJは生活の党と山本太郎と仲間たちの玉城デニー幹事長の議員事務所を訪ね、単独インタビューを敢行。「非公式の中身に踏み込んだ話はできない」という条件で、玉城幹事長が見る野党共闘の今と今後、市民運動の重要性について聞いた。自公の受け皿になるには「消費増税廃止」など、安保法制廃止だけではない幅広い訴えも必要だと話す、玉城幹事長。しかし、すべては「野党共闘」が大前提になる。

 すでに2月に突入した。今のままの状態では「衆参ダブル選挙をしかけられ、こなごなにされる」と危機感を口にする民主党議員もいると言う。米軍基地建設反対を旗印に、全野党共闘が実現している沖縄。その沖縄の闘いを見てきた玉城幹事長からは、厳しい現状に対する歯がゆさがにじみ出ていた。
 

■ハイライト

  • タイトル 「2月4日野党5党非公式会合について」生活の党と山本太郎となかまたち・玉城デニー幹事長単独インタビュー(聞き手:ぎぎまき記者)
  • 日時 2016年2月5日(金)11:00〜11:30
  • 場所 玉城デニー議員事務所(東京都千代田区永田町)

野党5党の幹事長が非公式で会食 「選挙戦略」は話し合われず!?

IWJ「2月4日、非公式会合が行われましたが『野党共闘』をめぐって、どんな話し合いがあったのですか」

玉城幹事長「昨日(2月4日)は、手術後に国会に戻られた社民党の又市(征治)幹事長の快気祝いを兼ねて、非公式な形で集まろうと、民主党の枝野幹事長から声をかけていただきました。

 地元の事情やお互いの体調の話をしながら、今の国会情勢の話では、安倍総理の答弁の粗さや激情的になって相手を誹謗する姿勢が話題になりました。普通、答弁に立つ政府側はぐっと飲み込んで、いわゆる大人の対応をするだろうと、だから、そういう政権に対して野党はまとまらなければいけないね、という話になりました。

 ただ、あくまでも昨日の話は非公式です。どこの選挙区が被っているとか、民主党は(動きが)遅いのではないかといったストレートな話はほとんど出ませんでした。民主・維新が今後、どういう方向性で進んでいくのか、他の野党も含めた合流の形になるのか、あくまでも『選挙協力』になるのか、それはこれからの話だと思います」

民主党は野党第一党のリーダーシップを取る気があるのか!

IWJ「では、まだ足並みは揃っていないというのが現状ということですか」

玉城幹事長「民主・維新の2党が具体的な話に入っていますから、我々が『こちら(他の野党)も含めてほしい』とは言えない。私たちも国会運営、選挙体制は協力しますよ、というところで確認した、というところです」

IWJ「民主・維新がこれから他党と一緒にやるかどうかは、その2党に任せるしかないと。市民連合を始めとする有権者の多くは『野党が結集して頑張ってほしい』という気持ちが強い。民主・維新だけが話し合って、例えば、共産、生活、社民の候補者に対抗馬を立てることになったら、お互いの候補者を引かざるを得なくなるなど、候補者、有権者の間に溝ができてしまうのでは。それは、選挙戦で大きな痛手にはなりませんか」

玉城幹事長「それが、小沢(一郎)代表が(2月2日)の会見で話したように、民主党がどれだけリーダーシップを取れるか、なんですよ。

 そこで『こっちが先だ、あっちが先だ』となると、これは『枝葉』の話になる。枝葉の話をどんなにしても調整はできない。だから『幹』の部分で5党の代表が揃って話し合って、安倍政権・自公政権に対峙していこう、選挙ではこれを訴えていこうと確認し合ってスタートラインに立つことが大事。

 昨日の会合で、私はその話をしました。各党代表が集まって、ちゃんと話をする場所を設けるべきだと。民主・維新が今後、どう組んで行くのか、そこに我々が合流するのか、他の政党にも呼びかけるのかは、昨日の時点では『協議中』ということで答えが出ない。代表同士の会合の場をもって、できるだけ加速していきたいと申し入れました」

「共産党アレルギー」が「民主党アレルギー」に切り替わる日

 安保法制反対を軸に実現した2015年夏の野党結集。その流れの中で、9月、共産党が「国民連合政府」構想を提案し、安保法廃止と安倍政権打倒で一致した政党が参院選で共闘するという斬新なアイデアを打ち出した。あれから、約5ヶ月、「共産党アレルギー」を隠そうともしない民主党が、野党連携の動きを鈍らせている事実は否めない。

 共産党に対してだけは、「シロアリ」などと侮辱の言葉を投げつけてもいいのだ、と言わんばかりの態度は(それも元民主党代表で大臣経験者でもある前原誠司氏)、まるで「いじめ」の構図を彷彿とさせ、「民主党アレルギー」を全国に自引増力している。細野氏や前原氏らは、自分たちが今や「アレルゲン」化していることを自覚していない。

 玉城幹事長の地元、沖縄では、辺野古新基地建設反対という一点で全野党共闘が実現している。各党の考え方を尊重する一方で、民主党に潔い「決断」を求めた玉城幹事長。「このままでは民主党もこなごなにされる」——民主党議員の中からも不満の声が上がり始めている。

玉城幹事長「民主党の中には共産党と一緒にできるかどうか、ということで色々な意見があると思います。意見があるのはいいのですが、共産党は『国民連合政府』を作るという目標をまず掲げ、選挙協力をして、野党で過半数を勝ち取るために、今立てている(共産党の)候補者に降りてもらう話し合いはできる、と言ってきました。その状況は2014の沖縄、(衆議院)選挙の時もそうでした。共産党はかなり大きい決断をしていると思います。

 ただ、共産党が決断するのだから『自分たちもやろう』と民主党が考えるかというと、逆に私が民主党の立場であっても、なかなかそうはならない。我々は我々の考え方をもって、ということになる。

 しかし、市民の皆さんから見ると『あなただけがなぜ、変わらないのか』となってくる。そこが一番の問題です。市民の声を真摯に受け止め、民主党が率先し、できるだけ早く協力を呼びかけるべきです」

民主党内からくすぶる不満の声「ダブル選挙をしかけられ、こなごなにされる」

IWJ「小沢代表が、『民主と維新だけが話し合っても参院選は勝てない』とおっしゃっていました。仮に2党が大きな『幹』の部分で、野党結集を決断できなかった場合、生活の党は今後どうするのか。また、有権者にアドバイスできることはありますか」

玉城幹事長「2党が協議中の段階なので、生活の党としてどうするかはまだ分かりません。アドバイスというおこがましい話も考えたことはありませんが、私からは民主・維新の幹事長二人に、みんなで協力できる形を取るべきだと、それを市民は望んでいると伝えました。そう積極的に呼びかけていくしかありません。

 ましてや、選挙準備の段階で野党共闘ができないままでは、衆参ダブル選挙もしかけられてしまう。民主党の中には、『このままでは民主は埋没する、こなごなにされる』と言っている議員もいます。

 地元の支援体制が盤石な人は勝つかもしれませんが、比例復活で当選している議員の席もこのままでは失われていく。そうすれば、安保法制やTPP、国民の生活に直結する政策に関しても、自公のやりたい放題になってしまう。

 そうなった場合、すぐに国民の支持を得られる政党が生まれるかというとそうはならない。ここから先、5〜10年のスパンがかかる恐れもあります。

 小沢代表が重ねて、民主党に『しっかりリードしてくれ』と言っているのは、今、何をするべきかという決断が大事だと考えているからです。私自身は政治の経験は浅いですが、代表はその先のストーリーを考えている。今まで2回、政権交代を実現させた方ですから。時間がかかるけれど、折々で決断をしなければいけない。その決断が民主党にできるかどうかが一番大きいと思います」

「対自公の受け皿になるには『1対1』にならなくては」

IWJ「民主党にその決断を促すため、さらなる国民運動は必要ですか」

玉城幹事長「一番大きいのは、国民の皆さんが、しっかり主張すること。選挙は皆さんの審判ですから、国民がその流れを作る運動は非常に大きい。

 辺野古の現場でも、連日、大勢の市民が各地から駆け付けて反対の声を上げている。海上でもカヌーを出して行動している。それがあるから、政権側も工事を進めることができないし、その現場の行動が世界に発信されて、『何でこんなことになっているのか』という運動の広がりの原点になっています。それが一番政治に大きな影響を与えるのだと思います」

 今後も、野党5党の幹事長は非公式会合を重ねるといい、1ヶ月以内には第2回を予定している。しかし、生活の党は幹事長クラスではなく、あくまでも各党代表の会合を提案している。腹を割って話し合い、自公の受け皿になる覚悟を共有することが重要だからだ。

IWJ「この選挙区では、民主・維新が協力する。こちらの選挙区では野党共闘ができる、選挙区ごとに協力体制がバラバラになったらどうなるのでしょう」

玉城幹事長「それでは全く勝てないですよ。繰り返しますけど、みんなできちんと対自公の受け皿をつくるため、『一対一』にしなきゃいけない。『4プラス1』になるのか、『オール5党』になるのか分かりませんが、受け皿が必要。だから、代表同士でまずは話し合いをしようと、腹を割って話してちゃんとやろうという確認が必要です。

 バラバラになったら『野党はやっぱり期待できない』というマイナス感が広がってしまうでしょう。今は、まとまることに力を尽くすべきです。

決断のリミットはある「民主党よ、アグレッシブに!」

玉城幹事長「アグレッシブになり、前のめりにならないとダメです。選挙は待っている状況が一番悪い。自分でアピールしていく積極性がなければ、誰も振り向いてくれません。そのくらい民主党にはアグレッシブになってほしいですね。

(取材・文 ぎぎまき 記事構成・岩上安身)

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2016/03/22 「政治資金」で自民党に内紛勃発!佐藤ゆかり議員を自民・枚方市支部長が3月22日に民事提訴へ!刑事告発も準備中!IWJが双方に直接取材、浮かび上がった佐藤議員の「杜撰な政治姿勢」

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 毎日尽きることのない自民党議員の醜聞の中で、この話題を覚えている人はどのくらいいるだろうか? 自民党・佐藤ゆかり衆議院議員(大阪11区選出)が、政治資金の不正で自民党の内部から指導されていた、という話だ。

  この問題が新たな展開を見せた。3月22日、大阪枚方(ひらかた)市支部長の出来成元(できしげちか)氏が佐藤議員を相手どり、「名誉毀損」で民事提訴に踏み切る。さらに出来氏は、支部として、佐藤議員に対し、政治資金規正法違反や公職選挙法違反を視野に入れた刑事告訴も近日中に行う予定だという。

 IWJは出来氏、佐藤議員事務所、自民党本部、大阪府連などに取材を敢行。言い分が食い違う両者だが、取材を重ねるうちに、ぼんやりと色々なことが「見えてきた」。どうやらやはり、「嘘」を言っているのは、「あちら」の方でありそうだ。

 相次ぐ自民党議員の政治資金問題の中でも、「内部告発」という珍しい展開をむかえる佐藤議員の政治資金問題に、ご注目いただきたい。

佐藤ゆかり議員が「迂回献金」? 「枚方市支部長」の出来成元氏が佐藤議員を「内部告発」!?

▲自民党・佐藤ゆかり衆議院議員(佐藤議員のホームページより)

 佐藤議員の政治資金問題は、2015年9月15日産経新聞が報じたことで明らかになった。報道によると、佐藤議員の所属する政党支部は、2014年の衆院総選挙に当選した際、当選祝いとして地元の物流会社と建設会社の2社からそれぞれ100万円ずつ、計200万円出られたという。

 ここで問題は、佐藤議員が200万円の献金を受けた際、自身の所属する政党支部ではなく、大阪・枚方(ひらかた)市支部に受け取らせ、その後、枚方市支部から佐藤議員自身が200万円を受け取ったとされていることである。いわゆる、「迂回献金」である。

 なぜ、「迂回献金」をしなければならなかったのか? 迂回献金をすれば、佐藤議員の政党支部は収支報告書に献金元の企業名を書かないため、有権者には佐藤議員がどこから献金を受けたのか、不明になる。

 佐藤議員は「迂回献金」をした際、献金を受け取った大阪府の枚方市支部へ領収書を発行しなかったという。佐藤議員の不正を暴き、民事提訴と刑事告訴に踏み切ろうとするのは、枚方市支部長の出来成元(でき しげちか)氏だ。

「自民党枚方支部の収支報告そのものが虚偽ですから」――佐藤議員事務所担当者が鼻で笑いながらコメント

 事実を確かめるため、IWJは佐藤議員の東京事務所に電話取材をした。

 電話口に出た担当者の女性は、枚方市支部の出来氏が受け取った企業献金を佐藤議員に渡し、佐藤議員が領収書を発行しなかった、とする報道について、次のように述べた。

 「『迂回』っていう言葉をお使いになっていますけれども、その事実はないですよ。2社の寄付者の方々は、あくまで11区支部の佐藤ゆかりにあてて寄付をしたわけです。お金は枚方市支部を経由していません。2015年11月27日に(自民党の)枚方市支部が収支報告書で、200万円の寄付を記載していますが、それ自体が虚偽です。虚偽の報告をしておいて、我々に領収書を出せなどと言っているのです」

 つまり、出来氏の訴える「迂回献金」はなく、したがって佐藤議員が出来氏に領収書を発行する筋合いはない、ということらしい。

「私は佐藤氏と協議をして『迂回献金』に合意した」!――興奮口調の出来氏が訴え

 しかし佐藤事務所の言葉が事実なら、枚方市支部は収支報告書に虚偽記載していることになる。重大な問題である。

▲出来成元氏(出来氏のFacebookページより)

 一方、IWJは佐藤議員事務所の主張を確かめるべく、出来氏にも直接取材した。出来氏は、2社が出来氏を介して佐藤議員へ献金したと主張、次のよう訴えた。

 「2014年の衆院選挙(12月14日投開票)が行われるより前の12月上旬、枚方市内の物流会社Aと建設会社Bから、佐藤ゆかり議員の選挙支援金として、100万円ずつ、計200万円の寄付をしたいと私に申し出があった」

 「選挙後の12月下旬、枚方市内の建設会社Cが、佐藤氏に対して、選挙事務所の内装費約300万円を請求した。その際、私は佐藤氏と協議し、請求された300万円のうち100万円を佐藤氏が自己資金で出し、残りを200万円の寄付でまかなうことに合意した」

 出来氏の主張によれば、佐藤議員は200万円の使いみちを出来氏と協議したという。出来氏を通して寄付金を受け取ったのでなければ、出来氏と協議する理由もないのではないか。さらに出来氏は、200万円を受領した際の経緯を次のように述べる。

 「しかし2社から寄付を受領する際、佐藤氏は2社の経営に外国人や反社会勢力が関与している可能性を憂慮して、佐藤氏が代表を務める11区支部の領収書を発行することを拒否した。そのため、私と佐藤氏で協議した結果、2社からの献金はいったん枚方市支部で受け取り、佐藤氏に渡すことにした。あきらかに『迂回献金』をしたのだ」

 出来氏は、佐藤氏が2社から寄付金を受け取ることを「拒否した」と明言している。出来氏の主張が事実だとすれば、佐藤議員の事務所担当者が述べた「お金は枚方市支部を経由していません」という言い分は「虚偽」ということになる。

 2社から現金を受け取った場面について、出来氏の生々しい証言は続く。

 「12月25日に私は『物流会社A』を訪れ、100万円の小切手を受け取った。そのときは『換金せな…』と面倒に思ったのを覚えている。12月27日、今度は『建設会社B』から100万円を受け取るために、私と佐藤氏、そして『物流会社A』代表取締役会長の3人で、『建設会社B』の実質経営者宅を訪問した。その車中で、私は佐藤氏に、前々日に『物流会社A』から受け取った100万円を現金で佐藤氏に渡した」

 「私と『物流会社A』代表取締役会長同席のもと、佐藤氏が『建設会社B』の実質経営者から100万円を現金で受領した。その際、私が『建設会社B』に対して枚方市支部発行の領収書を渡した」

 出来氏は、よどみなく語った。

「佐藤議員は自分でお金を受け取ったと言いながら、枚方市支部に100万円を返してきた。こんな矛盾、自分でわからないのか!」――出来氏が憤慨!

 佐藤議員事務所の担当者は、200万円の企業献金を受け取った後、そのお金をそれぞれの業者へ「返金」したという。なぜ返金したのかと尋ねると、担当者は、以下のように説明した。

 「お金は、当選のお礼回りをしているときに渡されたものです。秘書や代議士も同席していませんでしたから、お金はとりあえず本人がお預かりして、持って帰ってきました。選挙時には、まだ11区支部として正式に立ち上がっていないときでしたから、11区の領収書も発行することはできませんでした。そんな中、枚方市支部で領収書を発行していると知ったので、これはもらうべきお金ではないと思い、5月に企業へお返ししました」

 この「返金」についても佐藤議員側と出来氏側の主張は食い違っている。出来氏は、IWJの取材に対し次のように証言した。

 「佐藤議員が、100万円を寄付してくれた『物流会社A』の会長のところに現金を返しにいったら、佐藤議員は会長に、『枚方市支部に渡したお金であって、現金は領収書を発行した枚方市支部に返金するのが筋であり、佐藤議員側から返してもらう筋合いはない』と言われて突き返された。佐藤議員はその後、自分の秘書を使って私の家の郵便ポストに100万円を放り込んだ。放り込んだということは、私を通して(献金を受け取って)いたことを認めているということではないか。佐藤議員はなぜ、こんな矛盾が自分でわからないのか」

出来氏の訴えに、自民党幹事長室が「指導」!? 幹事長室は取材に「そんな事実はない」!

 出来氏と佐藤議員は、いったいどういう関係にあるのか。出来氏は、当選前の佐藤議員を11区に呼ぶため、大阪府連に働きかけ尽力した、いわば佐藤氏の「恩人」である。佐藤議員事務所の担当者によれば、両者の意見の対立は、2015年4月、出来氏が大阪府議選に落選したときからだという。それまでの両者の関係は、良好だったという。出来氏が「逆恨み」に佐藤議員を告訴しようとしていると言いたいのだろう。

 出来氏は今後、佐藤議員を政治資金規正法違反で告訴することを検討している、という。佐藤議員はこれに対し、虚偽告発罪で逆告訴する可能性についてほのめかしているが、佐藤議員の事務所は、「あくまで静観」するつもりだとしている。「余裕」をただよわせる態度の理由はなんだろうか? 佐藤議員事務所の担当者は、次のようなことを述べた。

 「自民党幹事長室から出来先生に『指導』が入っているんです。同じ自民党として、政府が予算を成立させたい大切なときに、内輪もめをするなどおかしいじゃないか、ということで、産経新聞が報じた直後に、幹事長室から出来先生に『指導』が入ったんです」

 自分たちは自民党本部をも味方につけている、ということらしい。佐藤議員の事務所の担当者は、「自民党の名前も汚したくないです」と、「いい迷惑」と言わんばかりであった。

 ところが、IWJが自民党本部の幹事長室に電話取材をし、「幹事長室から出来氏に指導をしたことがあるのか?」と問い合わせると、担当者は次のように述べた。

 「いや聞いてないですね。(コンタクトをとったことは?)聞いてないですね。(その間接触をとったこともない?)そうですね。そういった話はないと思いますね」

 幹事長室の担当者の返答は、どこか奥歯に物が挟まったような答え方であった。その理由は定かではないが、それはともかく、自民党幹事長室では出来氏に対し「指導をした」とは認めておらず、また、出来氏本人も「指導」などという事実はない、と語っている。

 佐藤議員サイドの言い分に、疑問符がまた一つ増えた。

出来氏を支部長から「強制排除」!? 支部大会を勝手に開き自ら支部長に「就任した」と言い張る佐藤議員の横暴!

 食い違いは続く。出来氏による告発の報道を受け、佐藤議員は2月18日に自身のFacebookページで、「真実と正義を希求する国会議員として、正々堂々と、真実を丁寧に以下にご説明します」として、以下のように説明した。

 「出来氏は現在、自民党枚方市支部支部長ではなく、自民党大阪府連の正式見解としても、出来氏のことを枚方市支部長とはしておりません。従って、出来氏に支部総務会の招集権はなく、支部総務会と称する会合での佐藤ゆかり告訴の決定は残念ながら出来氏の一人芝居です」

 出来氏はそもそも「支部長ではない」から、報道されているような「自民党の内部告発」ではない、と言いたいのだろう。Facebookには、「説明」として以下のように書かれている。

 「10月17日自民党大阪府連竹本会長名で枚方市支部臨時大会を招集、同大会において佐藤ゆかりを新支部長に、また市議会議員全員が役職復帰する形で新人事案が全会一致で可決され、さらに自民党員としての出来氏の除名処分の府連申達も可決されました」

 ところが、ここでまた問題が生じた。IWJが自民党本部に電話をかけ、「大阪枚方市支部の支部長は誰か?」と尋ねると、「現在届け出があるのは、出来成元氏です」という。さらに大阪府連にも同様に尋ねると、担当者は笑いをかみ殺しながら、不可解な説明を口にした。

 「うちの方ではどなたというのは言いかねるんですね。規約では出来さんとなっているんですけれども、もうひとかたがですね、自分で支部大会を開いて、そこで支部長になったと言っておられるもんですから。私の口から、どなたとは申しませんけれどもね」

 「もうおひとかた」とは、明らかに、佐藤議員のことを指している。自民党大阪府連の担当者によると、佐藤議員がFacebook上で主張した「10月17日の臨時大会」には、召集の方法に問題があったという。担当者は、「きちんとした手続きで新しい支部長が選出されていない」ということを強調して述べた。

 佐藤議員は、どうやら「横暴な手口」で出来氏を排除しようとしたようである。さらに事実を確認すべく、佐藤議員の事務所に連絡をするも、担当者は「佐藤議員は席を外している」の一点張りで、ついには担当者さえ「折り返し電話する」と言い張るばかりで対応しなくなった。「真実と正義を希求する国会議員」であるとの佐藤ゆかり議員のFacebook上の言葉とは、ずいぶん開きがある。

 出来氏による今回の民事提訴は、「200万円」の政治資金をめぐる諍いではなく、佐藤議員の「横暴な手口」を糾弾するものだ。

 佐藤ゆかり議員は、「きちんとした手続き」を踏んでいないにも関わらず、一方的に「支部長」を名乗り、自民党内に「自民党枚方支部の支部長を務めた前不議会議員が任期切れにも関わらず支部長を名乗り続け、(略)錯乱行為を行なっております」と記述した文書を回すなどしている。出来氏は、こうした佐藤議員の行為が、出来氏の支部長としての活動に計り知れない影響を与え、また、出来氏の政治活動に影響を与えるものであるとして、今回、名誉毀損で民事提訴に踏み切ることにしたのである。

 「200万円」の政治資金をめぐって出来氏は、枚方市支部として、近日中に政治資金規正法違反や公職選挙法違反で刑事告訴する予定だという。佐藤議員と出来氏の対立は、「自民党の内紛」と報じられているが、出来氏によると、自民党内における個人間の民事提訴はこれまでにも例があるが、自民党支部が、自民議員を刑事告訴することになれば「異例」の事態だという。

「告発しようとしている枚方市支部の側も、相当賭けに出ている」神戸学院大学・上脇博之教授が指摘

 佐藤議員らへのインタビューに先立ち、IWJは、神戸学院大学教授で、「政治資金オンブズマン」共同代表、「落選運動を支援する会」呼びかけ人の上脇博之教授に、佐藤議員の騒動について取材をした。佐藤議員が200万円を企業から「預かり」、5ヶ月後に「返金」した、と主張していることについて、上脇教授は次のように述べた。

 「預り金、と本人は言うがおかしい。会社としても、会計年度をまたいでお金を返されたら困るでしょう。

 告発しようとしている枚方市支部の側も、相当賭けに出ています。なぜなら、佐藤議員が本当に領収書を出さなかったのだとしたら、枚方市支部が収支報告書に200万円の献金を佐藤議員に渡したと書いたことが虚偽になってしまうからです」

 佐藤議員サイドは、出来氏の主張の「非合理」を主張するが、自民党本部や大阪府連への取材を重ねれば重ねるほど、佐藤議員の主張の正当性は揺らいできた。「一人芝居」をしているのは、どちらなのか。出来氏は、「刑事告訴すれば、国が捜査する。検察庁が告訴内容を精査し、審議すれば、検察庁は私の主張が正しいとわかるはず。淡々と臨むだけ」と余裕をみせている。

 いずれにせよ、有権者に不信を抱かせている佐藤議員には説明責任がある。「静観」を決め込むのではなく、真実を明らかにし、有権者に対して説明責任を果たすのが先決であるはずだ。出来氏の言い分が正しいにしろ、佐藤氏の言い分が正しいにしろ、有権者が怒りを感じているのは、自民党の議員が相次いで不祥事を起こしている事実そのものと、甘利前大臣を筆頭にそれらの疑惑について国民への説明責任を果たそうとしない姿勢に対して、である

 改憲問題、安保法案の問題、被災地の復興やTPP、今本当に議論しなければならない話題が山積する中で、自民党議員の不祥事が続いている。そしてあまりのその数の多さに、有権者の感覚も鈍磨しつつある。こうした「スキャンダル三昧」に国民が慣れてしまうという状況そのものが、「異常」である。「正常」に復するために何が必要か。答えは選挙で出すしかないだろう。

(原佑介・城石エマ 記事構成・岩上安身)

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2016/03/11 〈フクシマ5年目の真実①〉 「メルトダウン判定がもっと早ければ、私たちの行動は変わっていた!」楢葉町住民が振り返る、悔やみきれない“あの日”(動画)

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【フクシマの真実①】楢葉町住民の仮設住宅

特集 3.11

 2016年3月、福島県いわき市において、東日本大震災から5年が経過した楢葉町住民にIWJの高橋記者が取材を行った。

 「フクシマ5年目の真実」は、4回シリーズで配信予定。

 ※予告編「フクシマ5年目の真実」

■ハイライト

  • 収録日時 2016年3月10日(木)~11日(金)
  • 配信日時 2016年3月28日(月) 20:00~
  • 場所 福島県いわき市
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【フクシマ5年目の真実②】原発告訴団のメンバー・古川さん

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■ハイライト

  • 収録日時 2016年3月10日(木)
  • 配信日時 2016年3月31日(木) 20:00~
  • 場所 福島県いわき市
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 2016年6月2日、熊本県の熊本市現代美術館にて、参院選・熊本選挙区の野党統一候補、阿部広美氏にIWJの高橋記者がインタビューを行った。


牙をむいた活断層!熊本・大分大地震を検証!変動地形学学者 渡辺満久教授(東洋大)インタビュー(聞き手・IWJ記者 原佑介)

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 2016年6月7日、東京都港区のIWJ事務所にて、地理学者で東洋大学教授の渡辺満久氏に熊本大分大地震での活断層の動き、そしてどのような被害をもたらしたのか、またその他の日本の活断層について、IWJの原佑介記者がインタビューを行った。

参院選・野党統一候補予定者(山形地区)舟山康江氏インタビュー(聞き手 IWJ記者・外川鉄治)

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 2016年6月10日(金)12時過ぎより、参院選山形選挙区で野党統一候補として国政へ再び挑む舟山康江氏に山形市の後援会事務所で話を聞いた。

民進党千葉県参議院議員 小西洋之 街頭演説会

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 2016年6月10日、千葉県習志野市(津田沼駅南口)、千葉市(千葉駅東口)において、参院選千葉選挙区予定候補 小西洋之氏が、街頭演説会を行った。弁士に、馬淵澄夫氏(衆議院議員、民進党)が駆けつけた。

〈熊本取材〜震災から1カ月半(1)〉「飲み水も農業用水も寸断されたまま…苗は枯れ、今年は田植えができなかった」南阿蘇の“今”と民間団体「南阿蘇よみがえり」

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 2016年6月1日(水)、IWJ高橋敬明記者が、熊本県南阿蘇村を訪れ、4月16日の震災からの復興の様子をレポートした。

〈熊本取材〜震災から1カ月半(3)〉「“半壊”では仮設に入れないと言われ愕然とした。日に連れ悩みは大きくなるばかり」

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 2016年6月3日、震災から1ヶ月半が経過した熊本県の益城町にて、支援活動を行う人々の様子や被災地の現状を取材した。

【速報!】宇都宮健児氏「都知事選は一本化が必要」と明言!出馬は“前向きに検討中”だが応援に回る可能性も〜「野党共闘の流れで都知事選も闘える態勢ができたらいい」とIWJのインタビューに回答!

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 「平和憲法を守って、首都東京からアジアに向けて平和のメッセージを発信する。安倍政権の憲法改悪、安保法制に反対するということは、首都東京でもはっきりとその旗を掲げるべきです」――。

 前回、都知事選で舛添氏と競りあい、次点で涙をのんだ宇都宮健児・日弁連元会長の言葉である。

 6月15日、舛添要一東京都知事が都議会に辞表を提出。東京都議会は、本会議で舛添知事の辞職に全会一致で同意し、21日付の辞職が正式に決定した。舛添知事の辞任を受け、今後、早ければ7月31日にも都知事選の投開票があるといわれている。

 IWJは同日、過去2回の都知事選に出馬し、いずれも次点で落選した弁護士・宇都宮健児弁護士に緊急インタビューを行ない、来るべき都知事選について、自身の出馬の可能性や東京都の政策課題、都知事選の争点などについて話を聞いた。

 宇都宮氏は出馬について「要請は受けている」「前向きに検討中」と認めつつ、「野党共闘や安保法制反対の運動の流れの中で、都知事選も闘えるような態勢ができたらいいと考えている」と主張。参院選1人区の野党共闘をモデルに、都知事選でも「最終的には候補者を一本化するべき」との認識を示した。前回、反舛添氏の票が、細川元総理との間で割れてしまい、結果的に舛添氏を勝たせてしまった、苦い経験がそこににじんでいる。

 以下、インタビューの様子を掲載する。

【宜野湾市長選】「子どもの個人情報が自衛隊に」「市民負担は増やして老人ホームは民間に無償払下げ」 ?! 4年間の佐喜眞市政の問題点を「当事者」市民へ聞く!

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 2016年1月19日(火)、宜野湾市長選で再選を目指す佐喜眞淳氏の市政の問題点を市民に聞いた。


「参議院のドン」「日本会議を作った一人」村上正邦氏に直撃インタビュー!「安倍総理は保守政治家らしからぬ!」

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 かつて「参議院のドン」「参議院の法王」「参議院の尊師」、そして「村上天皇」とまで呼ばれ影響力を誇った、村上正邦・元参院議員に7月6日、IWJ記者がインタビューを行った。村上氏は「本流の保守」であり、現・安倍政権を支える「日本会議」を作った一人としても有名な人物だ。

 インタビューを行った村上氏の事務所には、「日本会議」の源流である新興宗教「生長の家」、その創始者である谷口雅春の写真が飾られていた。いまだにその教えを信奉する村上氏。思想心情は「日本会議」や安倍政権と相通じているはずだが、6月28日、村上氏は自身のブログで「安倍一強を追認する参院選でいいのか」と題する記事を投稿。安倍総理を批判した。

 いったいどういうことなのか。村上氏はインタビューで、御年84歳とは思えない、力のこもったしっかりとした口調で、その真意を説明した。

「戦争に近づかないためには、どうしたらいいか」――新作『野火』に込めた思い「若い世代に観てほしい」塚本晋也監督インタビュー(聞き手:IWJ中継市民・山田朋洋)

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 「(戦後の日本ではあたりまえだった)『戦争はダメ』が、最近、そうではなくなっているように思える」──。1960年生まれの映画監督、塚本晋也氏は、2015年6月22日、新潟市内で行われたインタビューの終盤で、このように口にした。

 第二次世界大戦のフィリピン戦線で、飢えと孤独から極限状態に追い込まれる日本軍兵士の姿を描いた大岡昇平の小説『野火』(1951年)は、日本の戦争文学の代表とされる。映画化は、1959年の市川昆監督に続いて二度目で、構想に20年をかけた塚本監督の同作は、2014年の第71回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門出品作に選ばれ、高く評価されている。2015年7月25日から全国で公開予定だ。

 「映画は、政治的思想など特定のメッセージを観客に伝えるための手段ではない」と語る塚本監督は、「戦争に近づかないためには、どうしたらいいのか。そういう思いは、強くある」とも言及。「非戦の願い」が、この作品に自然に反映されていることを言外に示した。

 「高校時代に大岡昇平の原作に接し、実際に、狂気の世界を体験したような気になった。映画化の構想は20年間抱き続けてきたが、ここにきて『急がねば』との衝動にかられた。こういう映画は、これからは作りにくくなるのかもしれない」と語る塚本監督は、「ぜひ、若い世代に観てほしい」と呼びかけた。

抗議行動の強制排除、検問、テント撤去…法律も憲法も無視する国や警察の暴挙! 沖縄・高江ヘリパッド建設を小口幸人弁護士が徹底批判!(インタビュー:IWJ原佑介)

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 改憲勢力阻止の懸かった2016年7月10日の参院選で、野党統一候補の伊波洋一氏が当選し、現職の島尻安伊子沖縄・北方担当相を制した沖縄。その沖縄で、参院選直後、国が高江のヘリパッド建設を、月内にも強行することが明らかになった。

 ヘリパッドは高江集落を囲むように全部で6カ所建設される予定で、そのうち完成した2ヶ所にはすでにオスプレイが配備されており、騒音や安全性への不信が沖縄の人々を苦しめている。

 さらなる建設の進行に抗議する市民を強制排除して、7月11日以降、国は着々と工事の準備を進めている。全国から集めた500人という異常な数の機動隊を投入し、次々と住民をごぼう抜き。近くのダムには、抗議の人々が使う公衆トイレがあり、そこではなんと警察が検問までしているという。まもなく、国や警察は、抗議のテントを撤去しにかかる模様だ。

 そもそも高江のヘリパッドは、1996年12月のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、米軍北部訓練場の一部を返還する条件として、建設されることになった。

 「合意があるから建設を進める」――。そんな国の論理を真正面から否定するのは、沖縄弁護士会の小口幸人弁護士だ。

 小口弁護士といえば、参院選にあたって、各地で積極的に「緊急事態条項」の危険性を広めてきた、若手の弁護士である。

 その小口弁護士は、今年の2月から沖縄に移住して同地の事務所に弁護士登録をし、辺野古や高江の米軍基地問題を間近に見てきたという。2016年7月19日には、自身のブログでも、高江の問題に強く警告を発している。

 小口弁護士によると、国はSACO合意の締結にあたって、オスプレイ配備の可能性を把握していながら、住民にまったく知らせなかったという。住民が強く抗議するのは、こうした姑息なやり方が受け入れられないためだろう。

 さらに、たとえどんなに国が「もう合意してしまった」と言い張っても、小口弁護士によると「抗議者の強制排除や検問、テント撤去は許されない」。法律上・憲法上、どちらの観点から見ても、国にも警察にも、住民の抗議行動を潰す権利はないのだ。

 「住民の抵抗権や表現の自由の圧殺」を許していいのか――。

 この問いは、沖縄の人々だけの問いではないはず。本土の人間も、真剣にこの問に向き合わなくてはならなくなる。

 参院選で改憲派に3分の2の議席を許してしまった報いは、すぐに我が身にふりかかる。内閣の恒久的な独裁を許してしまう緊急事態条項は、すぐそこまで迫ってきている。

▲最初の4時間分の中継(小口弁護士インタビュー含む)

▲小口弁護士インタビュー部分単独抜き出し動画

▲検問への抗議動画

築地市場問題に関して中澤誠さん、水谷和子さんへインタビュー(聞き手 IWJ記者・高橋敬明、城石エマ)

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 2016年7月23日(土)、東京都港区のIWJ事務所にて、東京中央市場労働組合執行委員長の中澤誠氏、一級建築士の水谷和子氏にIWJ記者がインタビューを行い、東京都知事選候補の築地問題に対する見解を取り上げ、市場の移転問題について伺った。

苦渋の決断で立候補を取り下げた宇都宮健児氏に、IWJが独占インタビュー!「野党4党も市民連合も、深刻に総括をすべき。これをやらないと、これからも負けっぱなしですよ」

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 7月13日、都知事選の告示日直前に鳥越俊太郎氏が出馬を決定したことをうけ、「苦渋の決断」で立候補を取り下げたという宇都宮健児氏。過去2回の出馬経験をふまえ、今回の都知事選は宇都宮氏の目にどのように映ったのか。昨日、IWJが独占インタビューを行った。

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