
「『同意、という言葉を使っていない』と市長が言うのであれば、(市長、同意と報道した)あらゆる新聞に(市長自ら)激しく抗議すべきだと私は思います」
川内原発の再稼働をめぐって、地元の「同意」による責任を回避し、再稼働を事実上容認した薩摩川内市長を厳しく批判する鹿児島県議会議員・遠嶋春日児氏(無所属)。原子力規制委員会、資源エネルギー庁の参考人招致を行い、精力的に再稼働反対活動を続けてきた県議として、この結果をどう考え、のちの活動につなげていくのか。今回の結論ありきの地元同意の流れについて、10月29日、遠嶋氏にインタビューした。
- 記事目次
- 「『同意』という言葉を使っていなくても、市長同意はまぎれもない事実」
- 原子力規制庁による審査の甘さ、これからの反対運動の展開
- 日時 10月29日(水)
「『同意』という言葉を使っていなくても、市長同意はまぎれもない事実」
記者「昨日(10月28日)、薩摩川内市議会にて、川内原発再稼働への同意が決定いたしました。遠嶋議員は、昨日の結果をどのようにご覧になられましたでしょうか」
遠嶋議員「昨日、一昨日は、鹿児島県庁でも、参考人招致をして、さまざまな意見を聞かせていただきました。すべての説明が十分になされていない状態で、臨時議会が開催され、結論を出すということは、あまりにも拙速すぎる、おかしいと言わざるをえない」
記者「昨日の市長会見で、『私は同意は致しておりません』、『同意という言葉は一度も使っておりません』ということをおっしゃっていたのが印象的でした。この発言について、どう思われましたか」
遠嶋議員「『同意をしていない』という発言については、昨日(10月28日)のニュースで放映されていましたけれど、全然おかしいと思います。結果を認識した上で、国の方針を理解する、ということは、再稼働を容認するということ以外のなにものでもない。
『同意』という言葉を使っている、使っていない、ということは全然関係ない。(市長が)同意をしたというのはまぎれもない事実」
記者「のちに重大事故が起こったとき、いわば同意責任を回避するために使った欺瞞的な手段にも感じます」
遠嶋議員「どの新聞にも『市長が同意』と書かれていましたが、『私は同意、という言葉を使っていない』と市長が言うのであれば、あらゆる新聞に(市長が)激しく抗議すべきだと思います。
マスコミにはそうした声が届いているんでしょうか。届いていないのであれば、実質、再稼働を容認する、つまり同意をしたということを認めることにほかならない、と私は思います」
(IWJ・小田垣大志)
原子力規制庁による審査の甘さ、これからの反対運動の展開
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