
住民の懸念が広がる中、10月28日、薩摩川内市議会にて、川内原発再稼働の同意が決定した。
※2014/10/28 【鹿児島】川内原発再稼働に「同意」した薩摩川内市長「私は『同意』という言葉を一切使っていません」と責任逃れの弁明
一夜明けた29日、IWJは薩摩川内市議会議員・上野一誠氏(無所属)に聞き取り取材を行った。
「慎重に議案を取り扱ってきました」。再稼働推進派の議員として、市議会の同意に至るプロセスに理解を示す上野議員。それでも、記者会見の場で「同意」という言葉を使わず、「理解」という言葉を選んだ市長について意見を聞くと、どこか言いにくそうに「苦渋の決断」であったろうと察する複雑な表情がうかがえた。
- 記事目次
- 「市長は『苦渋の決断』をした」? 再稼働推進派議員としての複雑な心境
- 再稼働が「国策」であることを強調しながらも、議会として「モノを言っていく」という上野議員
- 日時 10月29日(水)
「市長は『苦渋の決断』をした」? 再稼働推進派議員としての複雑な心境
記者「昨日(10月28日)、薩摩川内市議会にて、川内原発再稼働への同意が決定いたしました。議会のご感想や、現場での雰囲気についてお聞きしたいと思います」
上野議員「市にとって、市議会にとって、先陣を切っての判断ということになりました。福島の思いを受けて、決して忘れてはいけない。教訓にしなければいけない、という思いで議会に臨んでおりました。
川内一号機、二号機が再稼働できるか、できないか、国策ですので、国が新たな規制基準、適合審査をしっかりと事業所にぶつけていただいて、クリアしたものについては再稼働を進めるというのがエネルギー基本計画ということになります。
1年6ヶ月、国の政策を見守りながら、今日に至りました。(再稼働への)陳情に対する最終的な賛成、理解を示しましたのが現状です」
記者「昨日(28日)は市庁舎前で抗議運動が展開しておりました。反対派の住民に対しては、どうお考えでしょうか」
上野議員「我々も反対派の住民を参考人として招致してきました。やはり、そういう声を真摯に受け止めて、安全対策を講じていただきたいという思いがあります」
記者「市議会の同意後、市長会見で『私は同意していません』、『同意という言葉は一度も使っておりません』ということをおっしゃっていたのが印象的でした。このことについてどう思われますか」
上野議員「あえて同意という言葉は使いませんでしたけれど、『理解』という表現をされていました。薩摩川内市にとっては再稼働について容認をするということになりますので、そういった意味では苦渋の選択をしたのでは」
(IWJ小田垣大志)
再稼働が「国策」であることを強調しながらも、議会として「モノを言っていく」という上野議員
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