
「我が国の無責任体制を粉砕するのは、県民、国民の力しかないと思うんですよ」
11月5日(水)、鹿児島県議会臨時本会議が開会し、三日間の会期の末に県議会としての判断が示される見通しとなっている。県議会開会にあわせ、鹿児島県庁の前には、川内原発の再稼働に反対するグループのメンバーおよそ50人が集まり、報告集会が開かれた。
10月28日に行われた薩摩川内市議会と同様の拙速な議論を牽制し、批判する声が響くなか、IWJは集会に参加した市民に、臨時本会議を傍聴しての感想や、抗議運動の見通しについて聞いた。
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- 記事目次
- 「自分の子は自分で、自分の家族で守るしかない」――県と国への深い不信感
- 「福島が陵辱されたという気になります」――事故収束の目処が経たぬうちの拙速な議論
- 「我が国の無責任体制」――原子力規制委員会と国、県の責任転嫁が繰り返される構図
■Ustream録画(録画配信映像 50分間)
※現場の様子は動画開始後16分40秒頃からとなります。
- 収録日時 2014年11月5日(水) 17:00頃~
- 配信日時 2014年11月5日(水) 22:00~
「自分の子は自分で、自分の家族で守るしかない」――県と国への深い不信感
記者「傍聴はいかがでしたか」
女性1「伊藤知事は、自分の言葉で答えていないし、考えていない。書面を読むだけという感じでした」
記者「避難計画も整備されていないし、規制委員会の審査も終わっていません。そうした中で、まだ(再稼働を)判断する時期でないということは、明らかなのですが」
女性1「何を急いで(再稼働を)しようとしているのか、が疑問です。(伊藤知事の)自分の頭の中のマニュアルがあるように、ことが進められていきます。(臨時本会議で、伊藤知事は)笑っていました。
残念なのは、鹿児島県知事を選んだのは、鹿児島県民なのだということです。だから、根っこから変えていかなければならないと思いました。自分が旗をもって立つということは、まったくの想像外のことです。本当におかしい時代がやってきたのだと思います。どうにかして生き抜いていかなければならない。
これから先、自分が未来について考えるとき、人類が共存することのできる自然エネルギー(を使う社会)に向かっていかなければ、人類が滅亡するのでは、というくらいにさえ、思っています。
福島の事故はまだ終わっていないし、汚染水はまだ流れています。ましてや(使用済み核燃料の)最終処分場も決定していない。にもかかわらず原発再稼働というのは、まったく普通の考えではありません」
記者「今日も、(伊藤知事は)『再生可能エネルギーのバランスを』などと言っていました。にも関わらず、九州電力が(市民によって発電された電力の)買取を拒否していながら、(鹿児島県は)抗議していません」
女性1「子育てをしているうちに、『あ、これはおかしいな』、『子供たちを安心して預けられる時代じゃないんだな』と気づくことがありました。では、自分の子は自分で、自分の家族で守るしかないのだと思いました。自分の足元を見ていれば、おかしいということが分かると思うんです。みんなも気づいてくださるのではないか、と思います」
「福島が陵辱されたという気になります」――事故収束の目処が経たぬうちの拙速な議論
記者「今日の臨時本会議を傍聴されていたと思いますが、いかがでしょう」
女性2「ひどいものです。大事なことが、あんなふうに決められていくなどということは。私は本当に頭に来ています。
福島が陵辱されたという気になります。なにも解決していない、もっとひどいことになる、という現状で、『なんで再稼働なの? なぜ(伊藤知事は)官僚の言うことを聞くの? 国の方向を見てないで、福島の方を見なさいよ』と言いたいです」
(取材:細井正治、記事構成:IWJ・小田垣大志)
「我が国の無責任体制」――原子力規制委員会と国、県の責任転嫁が繰り返される構図
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