「共謀罪」法案のあまりのむちゃくちゃぶりに、ついに国連から日本に対して重大な警告が発せられた。
2017年5月18日付で、プライバシー権に関する国連特別報告者のジョセフ・カナタチ氏が、安倍総理に宛てて書簡を送付した。「共謀罪」法案に対する懸念と疑問が記されたその書簡には、次のように記されていた。
「もし、法案が法律として採択された場合、法律の広範な適用範囲によって、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性があります」――。
※本稿中の書簡の引用はすべて、海渡雄一氏、木下徹郎氏、小川隆太郎氏による日本語訳を使用させていただいています。

▲国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
この書簡が安倍総理に送付された翌19日、衆院法務委員会で「共謀罪」法案が、自民・公明・維新によって強行採決された。野党のみならず、数多くの有識者や著名人らが懸念を表明し、警告を発してきたが、政権は聞く耳を持たなかった。
しかし、今度ばかりは、厚顔無恥の安倍政権も知らん顔はできないだろう。
「国連からの問題提起がされた以上、いったん立ち止まって、きちっとした対話を始めるべきだし、その間、法案の審議はストップするべきだと思います」
日弁連・共謀罪法案対策本部副本部長の海渡雄一弁護士は5月20日、IWJの取材に答えてそう断言し、カナタチ氏の書簡の重要性を指摘した。

▲IWJの取材にこたえる海渡雄一弁護士
岩上安身は共謀罪が国会提出される前に、海渡弁護士にインタビューをしている。ぜひ、あわせてご視聴いただきたい。
また、海渡弁護士にはIWJスタッフもたびたびお話をうかがっている。ぜひ、こちらもご視聴いただきたい。
▲カナタチ氏が安倍総理に宛てて送付した書簡(英語)
※書簡の日本語訳は、海渡弁護士のFacebookページよりお読みいただけます。