新潟知事選において、自公推薦候補の森民夫氏を「支持」した連合新潟。「自主投票」を決めた民進党と共に、今回の知事選で野党共闘の足並みを乱した「戦犯」として、厳しい批判の目が向けられている。
しかし実は、連合新潟は、泉田裕彦新潟県知事(24日に任期満了)の出馬撤回後に民進党が独自候補を擁立すれば支援を検討する意向だったという。にもかかわらず、民進党県連が告示の約半月前の9月13日に独自候補の擁立を断念したことで、連合新潟は翌14日に、森氏の支持を決めたというのだ。当事者である連合新潟の幹部が、IWJの取材に対し、経緯をつまびらかに語った。
選挙では、自主投票だったはずの民進党の国会議員が次々と米山氏の応援に駆けつけ、投開票の直前の14日には、民進党代表の蓮舫氏までが新潟入りし、米山候補の応援演説に立った。つまり今回の知事選では、結果的に、民進党と連合が分かれてそれぞれの候補者を応援した格好となる。
なぜこんな不可解な事態に至ったのか?
IWJは投開票日の翌17日、新潟連合の事務局長・牧野茂夫氏へインタビューを行い、その真相に迫った。
牧野氏はインタビューの中で、森候補を支持した理由について「原発政策だけがファクターではない」と指摘。実際に、民進党が原発再稼働の反対を明言している米山氏を擁立しても、連合としては「調整する余地は十分にあった」と明かした。
インタビューでは、今回の選挙戦を振り返りつつ、候補者選定の段階で、民進党県連と連合新潟の間でどのようなやり取りがあったのか、そして、連合新潟の構成組織のうち、実際にはどの程度が森氏支持に回ったのかなど、誰もが気にしている問題について、率直に語っていただいた。インタビューは、民進党や連合の原発政策に強い影響力を持つと言われる電力総連(東電など電力会社の社員の労働組合)についても話が及んでいる。
以下、インタビューの内容を掲載する。
