
特集 名護市長選挙
沖縄県の名護市長選の告示日である1月12日、名護市民会館で「名護市成人式」が行われた。IWJは、選挙権を獲得する二十歳の若者に、将来の夢や思い描く名護市の未来について聞いた。
小さな子どもを抱えてインタビューに応じた男性は名護市の将来について、「やんばるは自然豊かな場所。基地など色々あるが、特に問題なく、良い将来をみんなで歩めたらいいなと思う」と話し、名護市長選挙では、初となる一票を投じる予定だと答えた。
■ダイジェスト動画
沖縄を離れ本州で薬剤師の勉強をしているという女子学生も同じく、「選挙には行くと思う」と話し、地域みんなが仲の良い、平和な名護市のままでいて欲しいという想いを語った。
「名護がもっと明るくなってくれれば」
そう話した男性は、土木関係の仕事に就いている一方、地元では沖縄県の伝統舞踊、エイサーを踊っていると話す。
沖縄県では、各地域の青年会がそれぞれのエイサーの型を持ち、地域の行事に積極的に参加する。代わりに、地域全体で若者たちのエイサー文化を支えるという、相互関係が存在し、世代間がつながるコミュニティを作り出しているという。
名護の明るい未来を願うこの若者は将来、「社会貢献できる大人になりたい。これからも地域に根ざしてがんばりたい」と語り、名護市長選挙には行く予定だと話した。
基地の話題は沖縄ではタブー化している
この日、新成人に話を聞いたIWJ中継市民のKEN子さんは、「若者は選挙に行かないだろうと思い込んでいた。話を聞いたのはほんの一部ではあるが、みんな(投票に)行くと言っていて驚いた。自分たちの未来や街のことを考えながら投じた一票が、どうなるのか見守りながら、子どもたちの世代に繋がっていけばいいと思う」と、今日のインタビューを振り返った。
基地問題は、沖縄県ではダブー化した話題の一つだという。KEN子さんは続けて、「緊張したインタビューだった」と話し、「土木関係で働いていると言っていたあの男性も、おそらく基地関係の仕事ではないかと思う。ここでは、顔を出した形で、基地に対する本音を語るのは難しい。はっきりとは言わなかったが、基地に反対しているんだろうなと受け取れる回答もあった」と、沖縄県民の間に交錯する複雑な思いについて触れ、「直接的な基地に関する質問はできなかったが、選挙に前むきな若者が多く、嬉しかった」と、インタビュアーとしての胸の内を語った。(IWJ・ぎぎまき)
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